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July 05, 2008

バス時刻までの海

バス時刻までの海 神保町界隈でずっと探していた数冊の本を、amazonであっさりみつけて購入した。古本街を時間をかけて巡るというのは、見渡す限りの本に囲まれ、かび臭い気が遠くなるような本の匂いに包囲され、それはそれで魅力的な時間ではあるが、あれだけ探しても見つからなかった本があっさり見つかるのはなんなのか、本来の目的だけに集中してショートカットを試みるなら、インターネットはすばらしい。つくづく合理的だな、と思ってしまう。

 この本「バス時刻までの海」日本海漁村紀行・秋田 文/砂室圭、写真/小阪満夫(無明舎)は、ずっと探しもとめていた中の一冊。だいぶまえに椎名誠の本で紹介され、そこで知ってから読みたかった写文本だ。場所は昭和の終わり頃の秋田の漁村である。

 この本を読んでいる間ずっと秋田の漁村をうろうろしている気分になっていた。

 なんとも磯臭い、魚くさい本。海の匂いがプンプンする。文章の小気味よいリズムといい、情景表現のリアルさといい、文章だけでこんなに海の匂いをプンプンさせるなんて、砂室圭さんて何者かと思って奥付を見たら、詩人であった。なるほどと納得したのだった。

 それから写真もいい。どれもこれも、その場所に確かに存在したエネルギーである。こういった一瞬を、人間の生きる瞬間瞬間を捉えたいものだと、常々思っている。いいなぁ、やはりモノクロは魂を写すんだと思う。

 というわけで、この本は秋田の漁村に暮らす人々のエネルギーをリアルに伝える体験本である。なかなか書店でお目にかかれないけど、インターネットで探してでも買って正解だったな、と思えるアタリ本でした。(K)

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